挑戦してみる7ー 溜め込んでいた思いを話してみること。
レモンの収穫時期を、レモンが言葉を発して教えてくれることはない。 レモンの色、形、香りを定期的に観察して、最適なタイミングを自分で判断するより他ない。
こんばんは。 Kiです。
10日ぶりに、ブログに戻ってきました。
お休みするつもりではなく、「ほぼ毎日」を継続したかったのですが、
この10日間、ブログを書くのは控えました。
その理由を、まずは語らせて下さい。
このブログは、自身が殻に閉じこもらないように、色んな事にチャレンジしていくことを記録し、
このブログを読んでいる方が笑ったり、ふむふむと頷いてくれたり、参考にしたり、勇気付けられたり。
そんな事を意図して書いています。
だから、この意図から外れるような内容は、極力避けたいと思っています。
特に避けたいと思っているのは、リアルタイムで感じている悩み、不安や愚痴を書き連ねること。
よって、私がこのブログを通して、示したいセルフイメージは、
「日々、色んな所に行って、色んな人と出会い、色んな挑戦をしている自分」
であり、
「過去となった失敗を冷静に分析している自分」
なのですが、
そう思い通りに行かない現実との間で葛藤を抱えてもがいていることが実は大半。
やがて、そのセルフイメージと現実の狭間で不安を抱えるようになり、何かしようと思いついても、不安が先立ってしまう悪循環に陥り、思考がグルグル回って行ったり来たり。
今回はそれがかなり醜くなり、
次第に身体が動かなってしまいました。
前置きが長くなりました。
今日の本題は、そこから少し抜け出すきっかけとなった、妻とのエピソードです。
私と妻は、大雑把には、性格が違います。
基本ネガティブな私。
基本ポジティブな妻。
しかし、共通点があります。
それは、お互いを気遣うあまり、相手に対して言いたい事を遠慮してしまう事。
普段、会話が絶えない2人ですが、相手を慮って、話さない事が2人の中で溜まってしまい、重石のようにのしかかってしまう事があるのです。
身動きできない程に体調が悪く、横になる事が多かった私。
妻と私の会話も次第に減っていることに気づくには、あまりに自分の事だけで一杯一杯でした。
そしてある日の夜。
さすがに、妻の様子が変だと思い、私はこう尋ねました。
「どうしたの、怒ってるの?」
首を横に振る妻。
「じゃあ、疲れちゃったの?」
うなづく妻。
それからもしばらく無言でした。
ふと、同じ様な悩みを抱えて苦しんでいた昔。
元妻が悲しんでいた光景が目に浮かぶ。
これはマズい。
同じ過ちを繰り返してはならない。
そう思って、口にした言葉。
「ちょっと、テーブルでお話ししない?」
うなづく妻。
まずはお茶を淹れて、
リラックス出来る雰囲気を作ってから、席につく二人。
テーブルを挟んで、しばらくの間、お互い無言でした。
そこで、言葉を切り出した私。
「ごめんなさい。 自分の体調の悪さを毎日目にする事が、どれだけ心労をかけているか、しっかりと分かってあげられなくて。 元妻の事で反省したつもりが、全く学んでなかった。」
しばらく無言の妻。
やがて口を開くと、
「謝ってもらおうと思ってないから大丈夫。 私も体調が悪いから、こんなに感情的になっているのかも。」
このやりとりだけで、張り詰めていた心が、少し解けたのか、妻も私も涙が出ました。
ここからは少しづつ、お互い、溜め込んでいた思いを言葉に出来るようになったのです。
私は、抱えていた不安を口にしました。
それは、家庭を守る夫としての役割を果たせていない事。
加えて、
この不安は妻も同じ様に抱えている不安。
だから、自分の中に留めておこう、と考えていた事。
でも、今回話しました。
もう、耐えきれなかった。
妻の反応は、
「バリバリ働いて稼いでくれる事を期待している!」
と一瞬真顔で話したので、ドキリとした私。
そして妻はすぐに、
「冗談。 わたし、そんなこと期待してないし。」
そう言いながら、ニヤリとしていました。
「それよりも、いつも家族3人で笑っていたい。 あなたは、次の目標をまだ見出せていないから、悩んでるの。 それが見つかれば、また元気になれるはず。」
妻の言葉に救われた思いになるのと同時に、妻も、
「少し喋れて楽になった」
そんな言葉が漏れました。
それからは、お互い冗談も言い合ったり、笑ったりできるようになり、気が付いたら、2人で夜中の3時近くまで話していました。
そして、私は妻に、
「これだけの心身の不調があるのは、何か根本的な問題があるからかも知れない。 精神科に行って、しっかり診てもらう。」
そう宣言しました。
この言葉にも、妻は安心してくれたようです。
子育て中は、子供の生活リズムに合わせるため、どうしても、夫婦でまとまって話し合う時間が取れなくなりがちです。
でも、やはり、毎日でなくとも、それが出来る時間はどこかで必要になる。
それを実感しました。
お互いを慮って遠慮してしまう2人なら尚更のこと。
ここからは後日談になります。
それから一週間後。 私は宣言通り、精神科へ行きました。
以前の勤務先を退職する前後にもかかった所なので、先生との話は早いのですが、
「なぜ、こんな心身不良を何度も繰り返しているのでしょうか?」
こう尋ねた所、別の大きい病院を紹介されました。
そこで早速、その病院に、妻にも来てもらって、診察を受けたのです。
この診断で、私が「病気」の診断を下された訳ではありません。
しかし、先生と私の一連のやりとりを聞いて、妻は、
「話を聞けてよかった。 そしてここは、あなたが行くべき所ではない気がする」
この言葉で、私もまた救われました。
次の診察予約をしたのですが、元気を少し取り戻したので、様子見とすることにしたのでした。
さて、本日のお題をまとめます。
家族でも、時として、お互いの思いを話せないまま、時が過ぎて重荷になってしまうことがある。
そんな時、
思い切って小さな会話を始めることで、お互いの思いが堰を切ったように溢れ、
そして大きな安心を得ることがある。
結婚して四年半。
それを2人で学びました。
この経験を元に、
子供が小学校に上がったら、月一回「家族会議」をやってみたい。
この記事を読んで、そんな目標も見出した、今回の一件でした。
最後に、自己弁護だとは十分承知の上、これだけは書かせてください。
男は(健康面、精神面、金銭面で)家庭の大黒柱であらねばならない。
順調に仕事をしてキャリアを積んでいた頃は、そう信じていました。
しかし、常に動き続ける周りの環境や、運、自身の性格や健康に左右されることもあり、
常にそうは行かない事が、あれこれ経験して分かるようになってきました。
一度身に付いたプライドは、簡単に捨てられるものではありません。
もし、私と同じ様に苦しんでいる人がいれば、こう言わせて下さい。
ゆっくり時間がかかってもいいから、そのプライドを、捨てていこう。
もし、誰か信頼できる人がいるなら、そのことを話してみよう。
そして、これまたゆっくりでいいから、新たな目標を探してみよう。