挑戦してみる2ーStartup Weekend Tokyoその1
レモンが手に入ったからレモネードを作りたいと思いついても、砂糖が手に入るかは、お店を見てみなければ分からない。
3日ぶりのブログ更新。
これを書いている今、この3日で経験した高いテンションがプツリと切れてしまい、かなり消耗しています。
正直、冷静に書ける自信が無いのですが、書けるだけ書いてみます。
題名にある、Start Up Weekend Tokyo(以下SWT)というイベントに参加してきました。
SWTとは何か。
ウェブサイトによると、
「Startup Weekend 東京コミュニティです。
Startup Weekend(スタートアップ・ウィークエンド)は、全世界で4,500回以上開かれ、36万人以上が参加しているスタートアップ実践イベントで、金曜日の夜から日曜日までの54時間で仲間づくりをしながらアイデアのプロトタイプを作りあげる起業のコミュニティです。スタートアップウィークエンドは国際的なNPO組織の名前でもあります。」
というイベントです。
ここでのポイントは、「54時間」です。
この短時間に、参加者は、
- アイディアの発表
- チーム集め
- 役割決め
- 試作品作り
- ビジネスプランの作成
- 審査員の前で最終プレゼン
を全てこなします。
さて、私の体験記です。
かなり長くなるので、3回に分けて書きたいと思います。
初日(8/3 金)ー アイディアの発表
品川のマイクロソフト本社。 初日はここが会場でした。
写真撮ればよかった、と後悔するくらい、お洒落な社員食堂でイベントが始まります。
集まったのは総勢100人。 主催者によると、過去最大規模との事。 男女比率は、4:1位。
参加者のバックグラウンドは、やはりエンジニアが多く、次にデザイナー、技術系コンサルタントが多い印象。
少数派ながら、経営や人事コンサルタント、役所の人など、技術系メインでない人達もいました。 私も、この少数派に含まれます。
このイベントにリピート参加している人も多く、話した人には、10回以上、という人までいました。 私は勿論、初めてです。
集まってすぐ、懇親会が始まりました。
マイクロソフトから提供されたという、お酒にバイキングの食事。
まずは参加者と仲良くなって…と和やかに行きたい所ですが、事前に以前の参加者のブログで、
「この懇親会が実はメチャクチャ重要。 いいチームを組める人が見つかるかが懸かっている」
と知っていたので、殆ど食べず、頑張って参加者と話をするようにしました。
しかし、一番重要なのは、実はこれでした。(参加後に気づいた)
「いいチームを組むためには、それに相応しいアイディアを用意しなければならない。
このことにまだ気付いたおらず、結局の所、「お仕事は?」とか、「今までSWT参加しました?」とか、表面的な会話で終わってしまいました。
そして、主催者の人から「Start Up Weekendとは何か?」、「スポンサーは誰か?」の説明。
この人は、30歳位で若く、しかもやたらとテンション高く元気。 ジョークも上手いし、手馴れていて、見ていて「すごいなー」と感心。 と共に、「負けてらんねぇな!」と、競争心を焚きつけられました。
その後に出てきた、Switch Scienceという、電子工作の世界では有名な会社の人も話しましたが、まあ、早口で元気なおじさんでした。
「みんな、自分の見せ方とか上手いなー。 どうやって人に見られたいか、しっかり考えてるんだなー。」
そんな所にも感心。
ここは「小ロット多種生産の企業、工場」が多く、今回の参加者のような、試作品を作って事業化したいと思っている人と大田区の企業を結びつけたいようです。
その大田区の担当者のスピーチで、やっと、普通のテンションに戻った感じでした。
そして、最初の関門、「1分ピッチ」が8:30PMから始まりました。
ピッチ、とは、簡単に言えばプレゼンテーションの事です。
アメリカの企業でよく使う言葉で、「投げるモーション」。
つまり、野球のピッチングのように、自分のアイディアを観客に投げる事を意味します。
参加者は、事前に考えてきたアイディアの内容を発表出来るのです。 但し、強制ではありません。
主催者 「発表したい人は手を挙げて!」
参加者の1/3の手が上がりました。
私も事前に考えたきたので、手を挙げています。
主催者 「さあ、自分の夢を実現するか、それとも、他人の夢に協力するのか、よく考えて下さい」
そう煽った結果、100人中、42人が発表する事になりました。
この1分ピッチの成否で、
- 自分のアイディアを形にして、審査までたどり着けるか
- 欲しいチームメンバーを獲得できるか
が決まります。 緊張のひと時です。
私が発表したのは、妻と考えた、
「オムツちょうだい!」
と題した、マッチングサイトでした。
コンセプトは、
「外出時にオムツを忘れた事に気付いたママが、それを持っている他のママから、ほんの少しだけ分けて貰える仕組みを作る」
ことです。
街中にオムツがない事は、妻の話と、「ママはテンパリスト」という漫画で知りました。
この漫画には、主人公が外出時に、コンビニやデパートをいくつも駆け回ったのに、おむつが見つからず、やっと見つけたドンキでオムツ(それも、50枚入りとかの重いやつ)を見つけて、狂喜乱舞する表現が出てきます。
そして主人公は涙を流して叫びます。
「オムツあつかえよ💢」
この漫画は、今から10年前のもの。
残念ながら、この記事の様に、今も状況は殆ど変わっていません。
そこに目をつけ、それならば、売っているお店を探して必死になるのではなく、
「街中で1枚位なら分けてもいい、というお母さんもいるはず。 その人と、今すぐ欲しい人をマッチングさせる仕組みがあれば、この問題を解決できるのでは?」
と仮説を立てました。
一生懸命1分間でアピールした所、最後の13人の中に何とか残りました。
その他、残ったアイディアは、
- 鳥取産のキクラゲが足りないから、収穫量を増やしたい
- つまらない会議をなくしたい。
- イベント会場の混雑をなくしたい
- 肌の画像判定で最適な化粧品を提案したい
- 乗り物酔いしないメガネを作りたい
- ゴールキーパーロボットでPKの練習をしたい
などユニークなものもあれば、あまり意図が伝わらないものもありました。
この後、最後のアピールタイムを経て、残りの観客が、「やりたいアイディア」を選びます。
ところが、残念。
私のアイディア、いつまで経っても誰も集まりません。
この時、はっと気付きました。
このアイディアが、この場では理解を得られにくい事を。
私のアイディアは、ここが問題だったと思います。
- (かつても含む)子育てママが参加者の中に殆どいない
- エンジニアやデザイナーの視点から、技術を使って試してみたい、と思わせる内容ではない
結局、私のアイディアに加わってくれたのは、中小企業診断士の男性の方1人でした。 この方は、4歳のお子さんがいます。
チームは最低3人必要なのですが、後1人が見つからず、結局、他のやはり2人しかいないチームと合体することに。
そして22:00、第一日目は終了となりました。
しかし、チームには2つのアイディアがあるので、みんなが納得するように、1つのアイディアにまとめなければなりません。
近くのコーヒー屋で、23:30まで議論。
それでもまとまらず、新しいアイディアを各自考える事で宿題になりました。
結構神経を使い、1つのアイディアにまとめて、皆が納得するか、不安を抱えながらのスタートとなりました。 (続く)