国民年金の納付期間が45年へ延長。 負担が増えるなら、その分年金は増えるのか?
先週末、たくさんの方がこの見出しの記事を目にしたかと思います。
もちろん、わたしもその一人です。
毎月16,590円(令和4年現在)の国民年金保険料。
ただでさえ重い負担がさらに5年増えるとは、(私を含めて)自営業者には聞き捨てなりません。
しかしこのニュース、一点重要なことが書かれていません。
それは、
という点です。
答えがないなら、独自に調べるしかありません。
その結果をまとめてみました。
ニュースの要約
まず、記事の内容を整理しましょう。
ポイントは、以下の4点です。
1. 保険料納付期間が40年(20歳~60歳)から45年(同65歳)へ延長。
2. 自営業者や、60歳以降は働かない元会社員などは、負担増。
3. 60歳以降も企業で働いている人は、負担が変わらない。
4. 政府は2024年に結論を出し、25年通常国会で改正法案提出の予定。
つまり、こういうことでしょうか。
これでは、SNSなどで「弱い者いじめ」とブーイングが起きるのも至極当然です。
しかし、ここは冷静に、何が問題なのかをもう少し考えてみます。
政府内でも検討はこれから。
まず、なぜ「負担が増えるなら、その分年金が増えるのか」について、記事には書かれていないのでしょうか。
この答えは簡単です。
政府内で結論が出ていないからです。
厚労省のサイトを見ると、10月25日(火)に「社会保障審議会年金部会」(学者、実務家など有識者の集まり)が開催されています。
本格的な検討は、ここから始まるということなのでしょう。
実際はどの程度深い議論がなされるのかは全く不明ですが、この話し合いでの検討内容は、今後厚労省のサイトに議事録がアップされます。
しっかりした検討がなされているのか、要チェックです。
厚生労働省の「財政検証結果リポート」を紐解く。
しかし、「まだ検討が始まってない」で終わっては意味がありません。
火のない所に煙は立たず。
年金が増えるのか増えないのか、何かヒントがあるはずです。
そこで、過去の政府資料を探ってみましょう。
こんな時参考になるのが、厚生労働省の「財政検証結果レポート」です。
これは、国民年金と厚生年金の現況と見通しを5年おきに検証した結果をまとめたもので、前回は3年前の2019年に検証されたものがレポートになっています。
このレポートを紐解いてみると、ありました。
ヒントは「オプション試算」です。
既に3年前に見込んでいた「5年間の延長」
「オプション試算」とは何でしょうか?
端的に言うと、年金に関する今の制度を「こんな風に変えればもっと年金財政はよくなるよ。」ということを試算したものです。
同レポートにおけるオプション試算では、以下の4つが制度変更として組み込まれていました。
2が、まさしく今回のニュースの件です。
3年前にはすでに保険料拠出期間の延長は検討されており、既定路線だったというわけです。
それでは、この時のオプション試算は、負担が増える分年金が増えるように計算されていたのでしょうか? それとも、負担が増えるだけでしょうか?
これも、レポートに記載がありました。
試算は「負担が増える分、年金が増える」前提になっています。
この試算では、納付期間を5年延長することで、所得代替率(現役時代の収入と年金の比率)が6.9%上昇しています。
つまり、保険料が増えた分年金が増えている、というわけです。
5年間の負担は100万円弱に達する
とりあえず、過去の試算から「負担だけ増えて年金変わらず。」ではなさそう、ということは分かりました。 (ただし、実際の制度改正がそうなるかは未知数です)
もしこれが本当なら、ある程度懐に余裕がある方はむしろ喜ばしい話かも知れません。
給付額の1/2に税金が投入される、ある意味有利な国民年金。
できるだけ保険料を払って給付額を増やしたい、と考えるのも自然です。
しかし、そうでない方にとっては重い負担です。
延長した5年間の保険料総額は100万円近く※。
60歳から65歳の年金空白期間を切り抜けるには重すぎます。
今後の政府内での検討が公平なものになるのか。
弱者いじめになっていないか。
しっかり見極めていきたいと思います。
※ 保険料月額16,590円 X 12ヵ月 X 5年 = 995,400円
(保険料月額は今後一定と仮定)
(筆者について)
神奈川県横浜市で「人生の転機における財産やお金の問題」の解決支援を行うZ Financial & Associatesを運営しています。
わたしが全国旅行支援で割引を受けるために苦労した3つのこと。
この週末。
1か月以上前から待ちに待ったお楽しみがやってきます。
それは、1泊2日の南房総への旅行。
宿泊先は鋸南町にあるリゾートホテル。
プライベートビーチから眺める夕陽。
ベッドに置かれた未体験のYOGIBO。
海老、キンメダイなど海の幸ブイヤベース。
宿のホームページを眺めては、ニヤニヤと妄想する日々を送っていました。
そんな時、思いがけない朗報が!
ホテルを予約したときは思いもしなかった「全国旅行支援」の開始です。
これは、旅行代を安くするチャンス!
調べると、家族の宿泊代が3割安くなることが分かり、さらに心がときめきました。
では、どうすれば割引が受けられるのか。
GoToトラベルも、県民割も使ったことがない私は、見当もつきません。
そしていざ調べて動いて見ると、落とし穴が結構多くて苦労もしばしば。
それでも何とか段取りをつけた今、苦労した点を3つにまとめてみました。
これから利用を考えている方は参考にしてください。
キャンペーン期間内でも、狙っていた宿泊施設を利用できない。
こんな報道を目にしました。
「全国旅行支援が人気沸騰で予算がなくなった所も。」
ふーん、と思いつつ、妄想に浸るため、いつもの通り宿泊予定のホテルのホームページを眺めることに。
すると、目に入ったのはこんな通知でした。
【《重要なお知らせ》千葉とく旅キャンペーン(全国版)について】
10月11日よりはじまりました千葉とく旅キャンペーン(全国版)につきまして、千葉県より各宿泊施設に予算が割り当てられましたが、割り当てられました予算は数日で消化してしまうほど非常に少なく、現時点ではキャンペーン期間中にご宿泊されるお客様すべてにキャンペーンを適用できる予算を持ち合わせておりません。
(中略)予算の増額を千葉県に申請中でございますが、ある程度の予算が確保されるまでは、当面のあいだチェックインの際にのみキャンペーンの適用申請をさせていただきます。恐れ入りますがどうぞご了承くださいませ。(以下略)
出典: AMANE公式HPより
「!?」
慌ててホテルに電話しました。
しかし、私の予約は全国旅行支援の開始前だったので大丈夫とのこと。
ホッとしました。
でも少々複雑な気持ちです。
キャンペーン期間中にも関わらず、予約のタイミングで割引が受けられる人と受けられない人が出るのは、不公平ではないかと。
「全国旅行支援」のキャンペーン期間は、原則10月11日から12月20日までの約2か月間しかありません。
もしこれから予約する方は、「まだ年末まで時間がある!」とのんびり構えず、宿泊先や旅行商品はとにかく早めに予約して、予算状況をホテルや旅行会社に確認した方がよいです。
と、そこへ朗報が!
本日(10月13日)、政府より全国旅行支援の人気沸騰を受けて「予算追加を早急に検討する」と発表がありました。
予算が早急に宿泊先へ充当されるのを待ちましょう。
抗原検査を受けられる所がなかなか見つからない。
全国旅行支援を受けるための要件の一つとして、ワクチン接種を3回以上受けたことによる「接種証明書」が必要です。
しかし、接種証明書を捨ててしまったり、ワクチン接種を3回未満しか受けていない方も諦める必要はありません。
「PCR検査結果証明書」や「抗原検査結果証明書」(いずれも陰性であること)を用意すれば大丈夫です。
我が家の場合、家族の接種証明が見つからず、コロナにかかると心配な者もいるので、改めて全員抗原検査を受けることにしました。
ただ、どこでどうすれば受けられるのか?
抗原検査の証明書とは、どんな証明書なのか?
どこで受けても、必須7項目(リンク参照)が記載された証明書がもらえるのか?
そして、(有料の)陰性証明書も必要なのか?
分からないだらけ。
とは言え、出発日まであと2日しかない。
そこで、すぐに動き出すことに。
まずは、以下のサイトで検査機関をリストアップ。
例:神奈川県の「無料検査機関リスト」↓
しかし、どこも予約で一杯。
電話をかけても全くつながりません。
探すこと1時間以上。
かろうじて、出発の前日に1枠だけ残っていた薬局を見つけ、検査を受けることができました。
そして、検査当日。
検査自体は鼻に綿棒を入れて調べる簡単なもので、15分程度で終了。
ちゃんと、必須7項目が記載された「検査結果通知書」(次項に画像あり)もその場でもらえました。
もちろん、無料です。
今はとにかく検査をすぐに受けられるところを探し当てることが大変。
早め早めに検査場所探しを始めた方がよいです。
あと、民間の検査センターなどでは、有料(5,000円くらい)で「陰性証明書」を発行してくれるところがありますが、必要ありません。 無料の検査結果通知書で十分です。
私の場合、支援金は一泊5,000円なので、有料の証明書を発行してしまうと支援金がパーになってしまうところでした。
宿泊日の1日以上前に検査を受けると証明書が使えない!
PCR検査や抗原検査証明書には期限があります。
しかも、かなり短いです。
つまり、抗原定性検査なら、出発の前日に受けなければなりません。
これにすぐに気づかず、危うく宿泊日の3日前に抗原検査を受けてしまうところでした。
間違っても(余裕を持って)1週間前に抗原定性検査を受けてしまわないようにしてください。
そして、証明書の「有効期限」が、宿泊日(チェックイン日)より後になっていることを、必ず確認してください。
(まとめ)全国旅行支援を受けるために
【教訓1】
泊まりたいホテルや利用したい旅行商品で割引が受けられるとは限りません。
予約は早めに動き、予算があるかホテルや旅行会社に確認しましょう。
【教訓2】
接種証明書がなくても、無料のPCRや抗原検査証明書があれば大丈夫。
しかし、今は検査機関の予約が取り辛い状況。 予約は余裕を持って!
【教訓3】
抗原定性検査なら証明書の有効期限は検査日の翌日まで。検査のタイミングを間違えないように。
(筆者について)
神奈川県横浜市で「人生の転機における財産やお金の問題」の解決支援を行うZ Financial & Associatesを運営しています。
投資信託で成功する方法:「分配金をいつ受け取るか」を決める(後編)
本記事は後編です。
前編はこちら↓
分配金を「毎月」受け取ると収益が低くなる2つの理由
前回は、分配金を「年一回」で受け取るよりも、「毎月」受け取る方が収益が低くなる恐れがある、ということをお伝えしました。
なぜでしょうか。
その理由は2つあります。
まず、1「複利の効果」が得られない、から見てみましょう。
分配金を毎月受け取ると「複利の効果」が得られない。
「複利の効果」によって、収益がどう変わるのかを例で見てみましょう。
分配金の受取タイミングが「毎月」のA投資信託と、「年一回」のB投資信託に、それぞれ1,000万円投資するとします。
A、B投資信託ともに、1年間の利回りは5%です。
運用中の価格は一定として、1年後の収益はどうなるでしょうか。
A投資信託(分配金タイミングは「毎月」):
1,000万円 × { (1 + 5%) - 1} = 50.00万円
B投資信託(分配金タイミングは「年一回」):
1,000万円 × { (1 + 5% ÷ 12^12) - 1}≒ 50.16万円
A投資信託よりB投資信託の方が、1年後の収益は1,600円ほど多くなりました。
この差が生じた要因が「複利の効果」です。
複利の効果とは、生じた収益を受け取るのではなく、そのまま元本に戻し入れることで生じます。
その結果、元本は戻し入れた収益の分だけ毎月増えていくため、毎月受け取る分配金も合わせて増えていくのです。
分配金の「毎月受取型」は人気が復活している。
ここまでの解説で、こんな疑問を持たれた方もいるかと思います。
分配金を「年一回」受け取る方が収益が多くなるのだから、わざわざ「毎月」受け取る必要はないのでは?
収益が多い、という点では確かにその通りです。
しかし、「毎月」分配金を受け取れる仕組みは、定期的な収入が欲しい方にとっては魅力です。
たとえば、こんな方が魅力を感じるでしょう。
- 少ない公的年金の受給額を補いたい。
- 分配金を毎月の生活費の足しにしたい。
- (将来のために貯めるのではなく)早めに分配金を受け取りたい。
- 運用による成果を「分配金」の受領によって実感したい。
そんな「毎月受取型」の投資信託ですが、つい数年前までは投資が集まらず低迷していました。
その理由の一つが、次の説明する「タコ足配当」です。
タコ足配当で投資元本が減ってしまう。
タコ足配当とは、運用成績が悪く収益が出ていないのに、それでも投資家に支払われる分配金のことです。
「タコ足」の名は、「タコは空腹になると自分の足を食べる」ということわざから来ています。
収益がないのになぜ、分配金が出るのでしょうか?
その理由は、毎月の分配金の額を運用会社が自由に決めることができるからです。
運用会社は、収益がなくても分配金を維持しようとします。
その方が、毎月の分配金を期待している投資家が喜ぶ、と考えるからです。
しかし、収益がない場合の分配金は、実は本来の意味での「分配金」ではありません。
実は、自分が投資した元本の一部が戻ってきたに過ぎません。
投資した元本をわざわざ切り離して、分配金に充てる。
これこそが、「タコ足」配当と言われるゆえんです。
例えば、以下の図では投資した元本1,000万円に対して、ある月の収益は50万円でした。
それにも関わらず、分配金を収益額より多い70万円支払ったために、投資元本は20万円減少して980万円になってしまいました。
投資元本が減れば、そこから生じる収益も減ってしまいます。
つまり、タコ足配当が投資信託の運用成績を下げてしまうのです。
実例:「グローバル・ソブリン・ファンド」のタコ足配当
概念的な説明が続きましたので、次に「タコ足」配当の具体例を見てみましょう。
今から20年ほど前、毎月分配型の投資信託は人気を博していました。
その代表格が、「グロソブ」の名称で呼ばれた「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」です。
「グロソブ」は、世界主要国の政府(および政府機関)が発行する債券で運用する投資信託です。
その信用性と、毎月定期的に分配金を受け取れる利便性から、販売額を大きく伸ばしました。
しかし、円高の影響などにより、基準価格が下落傾向になったにも関わらず、分配金は以前と同じレベルで分配されました。
そうした無理のある分配が批判を浴びることになり、同ファンドの販売はそれ以降低迷します。
今でも購入可能な「グロソブ」は、さすがに無理な分配はなくなりましたが、かつての勢いはありません。
毎月分配型の欠点を補う「予想分配金提示型」もあるが…
ここまで、「毎月分配型」投資信託の欠点を述べてきた訳ですが、実はその欠点を補う商品が近年登場しています。
それが、「予想分配金提示型」の投資信託です。
予想分配金提示型の特徴は、基準価格に応じて支払われる分配金の額があらかじめ決められている点にあります。
これにより、投資家はあらかじめ分配金を予想できる上、運用会社による「タコ足配当」のリスクを減らすことができるのです。
具体的な「予想分配金提示型」の商品を見てみましょう。
今最も売れている投資信託の一つ、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信(為替ヘッジなし)」の予想分配金は、以下の通りに定められています。
基準価格のレンジで分配金額が決まっているので、基準価格の下落時でも高い分配金が支払われ続けることもなさそうです。
しかし、だからといって「タコ足」配当のリスクが0になった訳ではありません。
上図の例では、基準価格が11,000円未満になった場合の分配金は決まっておらず、「基準価格の水準等を勘案して決定」されるとあります。
予想分配金提示型の投資信託であっても、このようなリスクがあることは、知っておいた方がよいでしょう。
「毎月分配金型」の投資信託は、つみたてNISAで購入できない。
ここまで、前編、後編と2回に分けて、「分配金をいつ受け取るか」が投資信託での運用成績に影響する、ということを説明してきました。
それでは、「複利効果が得られない」、「タコ足配当のリスクがある」という2つのデメリットがある「毎月分配型」の投資信託は「買い」でしょうか?
私の意見としては、投資信託の初心者の方に「毎月分配型」の投資信託はおすすめしません。
その理由は、前述した「複利効果が得られない」、「タコ足配当のリスクがある」点に加え、つみたてNISAを利用して購入できないからです。
まずは、投資信託で成功するための「第一歩」として、長期運用に向いた「年一回分配型」もしくは「分配なし」の投資信託をおすすめします。
投資信託で成功する方法:「分配金をいつ受け取るか」を決める(前編)
「投資をしてみようかな?」
その選択肢の一つとして「投資信託」を思い浮かべる方は多いと思います。
では自分にとって最適な投資信託を選ぶために、何を決めればいいのでしょうか?
いくつかある「決め手」の一つとして、今回は「分配金を受け取るタイミング」について、解説します。
この選択が場合によっては投資信託の運用成績を左右します。
気になる方は、必見です。
そもそも「投資信託」とは何か?
投資信託の分配金とは何か、ご存知でしょうか?
ご存知ない方のために、まずは「投資信託とは何か」から始めてみましょう。
投資信託とは、その名の通り、私たち投資家が資金を運用会社など「運用のプロ」に信じて、託す行為です。
この「信じて、託す」には、大きく分けて以下の3つのプロセスがあります。
① さまざまな投資家が「投資信託」に投資する(購入する)
② 集まった資金を「専門家」が運用方針に従い、株式や債券などに投資する。
③ 株式や債券などの運用成果が出れば、投資家に「分配金」が支払われる。
つまり、①投資する、②専門家が運用する、③成果を投資家に還元する。
この3つが、投資信託の基本的な流れです。
そして分配金とは、③成果の還元に当たります。
この①~③を図にしたものが以下になります。
投資家が出したお金が、分配金として還元される仕組みが理解できるかと思います。
なぜ、投資信託から「分配金」が生まれるのか?
投資信託の「分配金」をより具体的にイメージできるよう、もう少し解説します。
架空の例を用いてみましょう。
たとえば「Aファンド」という名の投資信託が売られていたとします。
投資家のYさんは、証券会社でたまたま「Aファンド」のパンフレットを手に取りました。
この「Aファンド」のパンフレットを読むと、集めた資金を「運用の専門家」がどのように運用するか、という「運用方針」が以下のように書かれています。
国内株式: 50%
海外債券: 50%
「Aファンド」に魅力を感じて投資を決めたYさんは、資金1,000万円を証券会社に振り込みました。
すると「運用の専門家」は、さっそくこの1,000万円を運用方針に従って、以下のように配分します。
株式: 500万円
債券: 500万円
さて、それから1年後。
株式と債券からは、以下の収益が生まれました。
債券: 30万円(内訳: 利息10万円、値上がり益20万円)
運用会社は、この収益から運用や事務に関するコストを差し引いた上で、残りの収益の50%(30万円)を、「分配金」として投資家Yさんに支払いました。
これが、ざっくりとした分配金が支払われる仕組みです。
なぜ「分配金を受け取るタイミング」が重要なのか?
投資信託には、「投資する商品の組み合わせ」、「運用方針」、「連動する指標」などさまざまな違いがありますが、その中の一つが「分配金を受け取るタイミング」です。
それはすなわち、1年の内何回受け取るか、または全く受け取らず分配金を再投資するか、ということです。
現在売られている投資信託の中では「年1回」が最もポピュラーですが、「毎月」、「年2回」などのバリエーションがあります。
それでは、なぜこれらの「分配金受取りのタイミング」が投資信託を選ぶ際に大切なのでしょうか?
それは、投資信託の運用成績に違いが出る、ということです。
具体的には、分配金を受け取る頻度が高いほど、収益が低くなる可能性があります。
たとえば、「年1回」受取型よりも、「毎月」受取型の方が収益が低くなる、ということです。(必ずそうなる、ということではなく、あくまで可能性です。)
では、なぜ「毎月」受取型の方が収益が低くなるのでしょうか?
その理由は主に、
1.分配金を複利で運用できない
2.タコ足配当のリスク
の2つです。
再婚を考えるひとり親が「入籍しない」場合のメリット・デメリットとは?
(本記事は本人が特定されないよう、配慮しています。)
ひとり親のRさん(女性)は、ある悩みがありました。
それは、1年前から結婚を前提に付き合っている「彼」のことです。
悩みのタネは、「結婚のタイミング」
お互いの意見が食い違っています。
Rさんの希望は「今すぐにでも結婚。」
一方の「彼」は慎重です。
少なくとも(今は中学生の)Rさんの娘が大学生になるまでは籍を入れない方がいい、と考えています。
「なぜ?」
Rさんは、何度も「彼」に尋ねました。
しかし、返ってくる答えいつも同じ。
「その方が得だから。」
一体何が得なのか、Rさんには合点が行きません。
そこで、Rさんのような「ひとり親」の方が入籍せずにパートナーと関係を続ける場合の、財産面での主なメリットとデメリットを解説します。
入籍しない場合のメリット
1.ひとり親向けの手当や貸付が引き続き受けられる。
二人親に比べて一般的に家計が厳しくなると言われる「ひとり親」世帯のために、国や市町村がさまざまな支援制度を設けています。
主なものとして以下の制度(市区町村独自の制度も含む)がありますが、入籍した場合、「ひとり親」ではなくなるため対象外となってしまいます。
では入籍は当面あきらめたとして、一緒に暮らし始めた場合は、支給は継続されるのでしょうか?
答えはNOです。
入籍しなくても、同居して住民票を移すなど「事実婚」に相当する場合は、支給対象外となってしまいます。
例えば、児童扶養手当が「支給されない場合」の例として、以下のように規定されています。
次の場合は支給されません。
- 請求者及び児童が、日本国内に住所を有しないとき。
- 児童が児童福祉施設などに入所したり、里親に委託されたとき。
- 父、母又は養育者が婚姻の届け出はしなくても、事実上の婚姻関係(内縁関係など)があるとき。
引用元: 横浜市HP「児童扶養手当」
従って、入籍しない場合であっても、事実婚に該当するような行動を考えている場合は、これまで受けている手当や貸付が対象外にならないかどうか、慎重に検討する必要があります。
2.養育費を守ることができる。
入籍した場合と比べて「ひとり親」のままでいる方が、元配偶者から受け取っている養育費を減額される可能性は低くなると言えるでしょう。
逆に、入籍した場合は夫婦相互に扶養義務が生じるため、養育費の減額につながる可能性が高くなります。
ただし、入籍したことが養育費の減額につながる訳ではありません。
実際にその可能性が高くなるのは、以下の場合です。
1.元配偶者に再婚が知られる可能性がある。
ただし、入籍したり養子縁組した事実を元配偶者に報告する義務はありません。
2.子どもを養子縁組する予定がある。
連れ子と新たな配偶者が養子縁組すると、新たな配偶者には連れ子に対する養育上の義務が発生します。 もし、養子縁組の事実が知られた場合、元配偶者による養育費の減額請求が認められやすくなる可能性があります。
3.元配偶者の年収が低い、または再婚して子どもがいる。
これも、元配偶者が養育費の減額を請求する動機になりえます。
入籍しない場合のデメリット
1.税金上の控除が受けられない。
私たちが支払う所得税や住民税の計算上、税額を減らす効果がある各種の税額控除。
しかし、以下の控除は、対象となる配偶者が「民法上の規定に基づく婚姻関係」にあることが前提です。
従って、ひとり親のままではこれらの控除の対象となりません。
たとえば、配偶者控除の場合、入籍していれば38万円(一般、かつ合計所得900万円以下の場合)の控除を受けることができます。
しかし未婚や事実婚では控除できません。
また、医療費控除は、通常10万円以上の医療費がかかった場合、本人及び同一生計の家族が支払った医療費も合わせて控除することができます。
しかし、未婚または事実婚の配偶者が支払った医療費を、本人の医療費に含めて控除することはできません。
このように、税制面では「ひとり親」のままだと不利になることがあります。
2.相続権がない
もし、未婚のまま本人が亡くなってしまった場合、遺された未婚または事実婚の配偶者は、本人の財産を相続する権利がありません。
ただし例外があります。
それは、1.特別縁故者として認められる、または2.遺言書などで受遺者として指定されている場合です。
1の「特別縁故者」とは、亡くなった方と特別に親しかった人を指す言葉です。
被相続人と長年同居していた、献身的に介護していた、金銭的援助を受けていた、などの方が該当し、家庭裁判所から認められることで、初めて特別縁故者となることができます。
しかし特別縁故者として認められるのは、「他に相続人がいない」場合のみです。
従って、被相続人に親や兄弟がいる場合、特別縁故者になることはできません。
2の場合、パートナーが生前に遺言書を準備し、配偶者が財産の一部または全部を受け取る権利がある旨を記載していれば、遺産を相続することが可能です。
ただし、元々相続権のないRさんが、遺言状で指定されているとは言え多額の財産を引き継ぐことに、他の相続人が納得するかは別問題です。
また、他の相続人の遺留分を侵害している場合、争いになる可能性も捨てきれません。
姓のことや、親族との関係など、入籍するしないの判断材料は多い。
ここまで、「籍を入れない」ことの主なメリット・デメリットを解説しました。
ただし、籍を入れるか入れないかの決め手は、通常、これまで記載した「財産面のメリット・デメリット」だけではありません。
例えば、別姓を維持するのか、それともどちらかの姓に合わせるのか。
また、相手の家風や親族との関係に馴染めるのか。
子どもは再婚後の生活についていけるのか。
など、考慮すべきことは山ほどにあります。
慎重かつ時間をかけての検討と話し合いが必要です。
なお、Rさんの場合、「彼」がこうした考慮すべき点を踏まえた上で、入籍しない方が得と判断したのか、それとも、単なる言い逃れなのか。
それは今も分かりません。
ただし、特に相続の面では自身の子供への相続にも将来的につながる話。
現在も粘り強く、彼との話し合いを進めています。
映画「トップガン・マーベリック」にまつわる3つのトリビア: 映画が大ヒットしても儲からない?
(本記事にはネタバレが含まれます。 未視聴の方はご注意ください)
最近仕事に煮詰まっていたので、頭を使わずスカッとさせたいと思い、すきま時間で映画「トップガン・マーベリック」を観てきました。
平日の朝一、観客の入りは3分の1ほど。
2時間11分の上演時間の間、ずっと画面に釘付けで効果は抜群。
終わった後、嫌なことは頭からすっかり無くなりました。
そこで今日は、トップガン・マーベリックにまつわる3つのトリビアをご紹介します。
マッハ10に耐えた人間はまだこの世に存在しない。
映画の冒頭シーンで、主人公のピート"マーベリック"ミッチェル(トム・クルーズ)は架空の超音速機「Dark Star」に乗り込み、誰もが無謀と言う「マッハ10」の飛行に挑み、見事成功させます。
この「マッハ10」という速度。
この想像を超えるスピードに、常人離れしたマーベリックはまだしも、人間は本当に耐えられるものなのでしょうか?
実は、マッハ10という速度を経験した人間は、まだこの世にいません。
これまでの有人飛行での最高記録は、今から55年前(!)にノースアメリカンX-15実験機が達成したマッハ6.7。
この記録は現在まで破られていません。
そんな昔に人間がマッハ6.7に耐えられたのだから、今の技術ならマッハ10に耐えられるのでは? と素人的に考えてしまいますが、問題はそこではありません。
問題は人間ではなく、機体にあります。
マッハ7での表面温度は摂氏1,650度と言われており、マッハ10はそれ以上の高温。
それに耐えられる素材をどう作るか、が一番の課題です。
映画の中では、マッハ10に到達したDark Starが高温を発し、空中分解の危機に陥ります。
乗っているマーベリックは機体が発する熱でいかにも苦しそう。
それでもまだ挑戦を止めないマーベリック。
執念が実を結び、Dark Starはマッハ10.2を達成します。
しかしその直後、機体は空中爆発を起こし、墜落。
あわれマーベリック。
と思いきや、ギャグマンガのような黒焦げで田舎のダイナーに現れるシーンには苦笑しました。
こんな超人でなければ、やはりマッハ10の飛行は無理なのかも知れません。
大ヒットの前作「Top Gun」は、入隊の「決め手」とはならなかった。
映画を見る前に、いくつかのサイトで「自衛隊の入隊志望者が増えている。」という情報を目にしました。
これは本当なのでしょうか?
その真偽は(数字が公表されないため)不明ですが、前作(Top Gun, 1986年公開)後に米海軍が行った興味深い調査結果を知りました。
こちらの記事によると、前作「Top Gun」が公開された6年後の調査で「Top Gunを映画館やテレビで観たことが(志望動機に)影響した」と答えた人はわずか24%。
この結果から、本当に影響力があったのは映画ではなく、むしろチラシやパンフレットの方だった、と海軍は結論づけたようです。
しかし、これは今から30年近く前のこと。
今は、時代が違います。
SNSの発達に加え、ウクライナ・ロシア戦争で世界の緊張が高まっている時期。
各国の国防費も増額の気配があります。
その結果、トップガン・マーベリックとの相乗効果も相まって軍への予算が増えれば、採用者数も増加するはずです。 そうすれば、志願者数も増える可能性は十分考えられます。
映画がヒットしても製作したパラマウントの株価は急落。
トップガン・マーベリックの全世界興行収入は、現在約16億8千万ドル(約2,058億円)。
前作の売上(約3億6千万ドル)をはるかに超え、過去歴代映画の興行収入の第8位にランクインしています。
売上だけでなく、利益もかなりの数字になりそうです。
トップガン・マーベリックの制作費(予算)は1億7千万ドルと言われており、この数字に基づけば利益率は90%。 これも優れた数字です。
これならさぞかし、映画を製作したパラマウントの株価もアップしているのでは?
と思いきや、結果は全く逆になっています。
以下のグラフは、トップガン・マーベリックの制作会社(の親会社)Paramount Globalと、同じく2022年大ヒット映画「ミニオンズフィーバー」を制作したUniversal Pictures(の親会社)Comcastの株価を比べたものです。
よく見ると、1年前より株価は大きく下がっています。
何と、コムキャストは1年前より株価が▲43%、パラマウントは▲49%も下落。
しかも、NASDAQ市場平均(▲24%)を大きく下回っています。
「トップガン・マーベリック」や「ミニオンズフィーバー」が大ヒットしているのに、一体なぜこんな状態なのでしょうか?
その答えは、この2社の収益構造にあります。
2社ともに、主な収益源は所有している放送局やケーブルTVの広告費。
世界的インフレで米国の景気が悪化する懸念の影響をもろに受けているのです。
実は映画自体の売上は1割程度と高くありません。
問題は今後如何に公開後にAmazonやNetflixなどのストリーミングで視聴を稼ぐか、さらにはグッズの売り上げを伸ばすかに掛っているのです。
大ヒットを飛ばしても、それだけでは企業の業績につながらない。
コンテンツビジネスの難しさを改めて実感します。
(筆者について)
神奈川県横浜市で「人生の転機における財産やお金の問題」の解決支援を行うZ Financial & Associatesを運営しています。
なぜ、マーク・ザッカーバーグ氏の資産は半年で10兆円も減ったのか。
「Metaのザッカーバーグ氏、今年だけで約10兆円も資産減少」
衝撃的な見出しが3日ほど前にYahooニュースに登場しました。
いくらあの「ビリオネア」マーク・ザッカーバーグとはいえ、なぜそんな短期間で10兆円もの資産を失うのでしょうか。
その理由は記事に書かれているのですが、経済の知識がない方には「?」な内容です。
そこで、記事を読んでもよく分からない、もしくは経済に疎い、という方のために、「10兆円を失った理由」をできるだけやさしく解説します。
世界22位の富豪、マーク・ザッカーバーグ氏
Meta(旧Facebook)のCEO、マーク・ザッカーバーグ氏。
1984年生まれの現在38歳。
2004年、若干20歳でFacebookを創業し、2012年にはFacebookをNASDAQ市場に上場を果たす。
保有する総資産は508億ドル(約7兆1,120億円)とも言われ、2022年時点で世界第22位の富豪。(2022年フォーブス・世界のビリオネアランキングより)
その一方で、顧客情報の漏洩、内部告発、政治への過大な影響力など、多くのトラブルと批判に晒されてきた人物でもあります。
そんな「悪名高き」起業家が失った10兆円。
普通の人ならあまりにも縁遠いその金額に、ピンとこないはずです。
そこで実感が持てるよう、次に日本の税収と比べてみましょう。
失った10兆円は、日本の1年間の法人税収入に匹敵。
日本全体の2021年度の税収は、合計約67兆円。
ザッカーバーグ氏が失った10兆円は、日本の税収の15%に相当する額です。
さらに、税収の内訳で見ると、消費税、所得税に次いで3番目に多い法人税(約14兆円)にほぼ匹敵する額になります。
これを、一個人であるザッカーバーグ氏が半年ほどで全て失った訳です。
もし日本の法人税収入が全てなくなったらどうでしょう。
国家破綻の危機です。
それが国ではなく一個人の資産の話ですから、ザッカーバーグ氏が失った10兆円のスケールが桁違いであることがよく分かると思います。
保有資産のほとんどが、自分がCEOを務める会社の株式
本題に入りましょう。
なぜ、Zuckerberg氏は10兆円もの大金を失ったのか。
その理由は、ザッカーバーグ氏が保有する資産のほとんどが、自身が創業し、現在もCEOを務めるMeta(旧Facebook)の株式だからです。
株式はご存知の通り、日々市場で売り買いされるため、時価が上がったり下がったりします。
もし時価が下げれば、Zuckerberg氏が保有するMetaの株式も当然下がります。
つまり10兆円が失われた理由は、Meta社の株価が大きく下落したからに他なりません。
株式で持たずに現金で持てばいいのでは? という疑問
こんな疑問が湧いた方もいるのではないでしょうか?
「そもそも株式で持たずに価格が変動しない現金か預金で持っておけば安心じゃない?」
しかし(特に成功した)起業家の場合、そうはいきません。
その理由は、起業に成功すれば、自身が起業した事業の株式が何倍にも増える可能性があるからです。
実際、Meta社の株価は、2012年5月の上場時点で38.23ドル でしたが、ピーク時(2021年9月7日)の株価は382.18ドル。 わずか10年足らずで株価は何と10倍になっています。
このようなことは、現預金で資産を持っていても絶対に起こり得ません。
株式をどれだけ持つかで、事業への発言権が決まる。
起業家が株式を持つ理由はもう一つあります。
それは、株式を持つことで経営への発言権を得られることです。
株式をどれだけ持っているかで、経営方針や役員の選任、解任など重要な事項への発言力を増すことができるのです。
しかし株式を売ってしまえば、自ら経営への関与を失うことになりかねません。
実はFacebookの起業の頃に、重要な経営メンバーであったエドゥアルド・サベリン氏が、そのような目に遭っています。
彼はザッカーバーグ氏と共にFacebookを起業したメンバーの一人でしたが、「内部抗争」や「意見の違い」によりザッカーバーグ氏に疎まれ、株式を大量に発行された結果、エドゥアルド氏が持つ株式の価値が激減してしまいます。
結果、エドゥアルド・サベリン氏はFacebookから事実上追い出されることになります。
(この経緯は、2010年の映画「ソーシャル・ネットワーク」で詳しく描かれています。)
Meta社の成長に陰りが出て株価は暴落。
Meta社の株価に一体何が起こったのか。
それは、株価のグラフを見てみると一目瞭然です。
今年(2022年)の初めころに、Meta株の株価が大きく下がっていることがグラフから確認できます。
Meta株は2月1日時点で1株当たり319ドルでしたが、翌3月1日は203.49ドル。
実に36%の暴落です。
そのきっかけは、Meta社の2021年第4四半期におけるFacebookのアクティブユーザー数が創業以来初めて減少に転じたことにあります。
これまで全世界で急拡大してきたFacebookの成長が頭打ちとなったことが証明されたことになり、これに世界中の投資家が大きく反応しました。
さらに、悪材料はこれだけではありません。
Facebookがこれまで依存してきたターゲット広告の事業は、iPhoneを擁するAppleがプライバシー規制を強化した結果、精度が下がっています。
加えて、社名をMetaと変えてまで注力しているメタバース(インターネット上に構築した仮想空間)は赤字から回復する見込みは立っていません。
そうした悪材料の数々に、市場が一気に反応したと考えられます。
ちなみに、2月3日のMeta社株価の下落率は、たったの1日でマイナス26.4%。
Meta社全体の価値に換算すると、1日で約2,400億ドル(約33.6兆円)が失われたことになります。 こちらの記事によると、この損失額はアメリカの企業が1日で失った企業価値としては過去最大だそうです。
10兆円の損失は、ザッカーバーグ氏にとって本当に痛手?
今年のMeta社株暴落によって、ザッカーバーグ氏が保有する株式の価値は半分になってしまいました。
ただ、それがザッカーバーグ氏にとって痛手か、というとそうではなさそうです。
先ほど計算した「時価総額」を元に計算すると、ザッカーバーグ氏が保有するMeta社の現在の株式の時価は、株価下落後であってもまだ約8.4兆円あります。
そして、現在のMeta社の事業の主要サービスである「メタバース」が成功すれば、また株価が戻ることも十分あり得ます。
まだ十分やり直しがきく年齢であるザッカーバーグ氏にとって、保有する株の価値が半分になったところで、何とも思っていないはずです。
さらに、ザッカーバーグ氏が保有する全資産は、Meta社株だけではありません。
CEOを務めるMeta社から支払われる役員報酬もあります。
2021年に受け取った役員報酬は、公表資料によれば2,682万ドル。(約39億円)
「10兆円でガタガタいうな!」というところでしょう。
そもそも、それが「起業家」という存在です。
(興味のある方へ)「10兆円」の計算方法
本記事のおまけとして、Zackerburg氏が失った「10兆円」の計算方法をご紹介します。
そのためには、Meta社の「時価総額」(企業が発行した株式数に、その時点の株価を掛けたもの)の内、ザッカーバーグ氏が保有している割合が、2022年1月1日から6月30日にかけてどれだけ下がったかを算出します。
時価総額 = 発行済み株式数 × 株価
この時価総額に、ザッカーバーグ氏が保有する株式の割合(12.5%)をかけると、ザッカーバーグ氏の持ち分、つまり資産の額を知ることができます。
その資産の額が分かれば、あとは株価をかけるだけです。
実際に計算してみましょう。
① Meta社の時価総額下落分
2022年年初 :28.59億株(発行済み株式数)× 338.54$(株価)= 9,679億ドル
2022年6月末:28.59億株(発行済み株式数)× 161.25$(株価)= 4,610億ドル
下落した時価総額 = ▲5,068億ドル
② 下落した時価総額の内、ザッカーバーグ氏の保有分(12.5%)
▲5,068億ドル × 12.5% × 145円(直近の為替レート)= 約9.2兆円。
算出方法が違うため、記事見出しにある「10兆円」ピッタリにはなりませんが、ほぼ近い数字になっています。
(筆者について)
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