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FP(兼USCPA)がレモンをレモネードにする(逆境を転機に変える)ヒントを書き連ねます。 毎週月・木曜日に更新。

資産運用とは「やらなければいけない」もの? 始める前に自分に問いかける3つの質問

資産運用をやらなければならない、というプレッシャー

 

私がファイナンシャルプランナーとしての仕事を初めて間もない頃、資産運用の経験がないお客様から、こんな質問を頂いたことがありました。

 

お客様: 「やっぱり、資産運用はやった方がいいのでしょうか?」

 

これに対して、私の答えは、

 

私: 

「人によってまちまちですが、もし、長期に渡って運用する見込みがあれば、始めるのは悪くない選択です。」

 

すると、お客様はため息をついてやや伏し目がちに、

 

お客様: 「やっぱり、そうなんですね・・・」

 

そう答えました。

 

そこで、もう少し詳しくお話を聞くと、

 

「怖いし、知識もないので、できれば資産運用はやりたくない。」

「しかし最近、友達が老後の準備として資産運用を始めて盛り上がっている。」

「老後のために資産運用をしなければならないのか、と不安になった。」

 

と、心の内を正直にお話してくれました。

 

このお客様のように、「資産運用はやらなければならないもの。」と考えて不安になる方がいらっしゃいます。

 

特に、これから子どもの教育費や家の購入、老後の資金など将来のイベントが待っている方に当てはまります。

 

もし、「資産運用はやらなければならない」とプレッシャーを感じている方は、慌てて金融機関や証券会社などで金融商品を購入する前に、これから申し上げる3つを、ご自身に問いかけてください。 

 

万能薬ではありませんが、きっと効き目はあるはずです。

 

問いかけ1: 社会の動きに惑わされていないか?

 

資産運用をやらなければいけない。

 

そんな考えを持つきっかけは、何も資産運用に積極的な友達や知り合いだけではありません。 私たちを取り巻く社会も影響します。

 

例えば、

 

2019年には、安心の老後を迎えるには2000万円が必要、という、いわゆる「老後2000万円」問題がありました。

 

同じ2019年には公的年金財政検証が行われ、今後日本経済が想定以上に成長しなければ、将来受け取る年金は今のレベルより下がる可能性があることが示されました。

 

そして2020年からはコロナが始まり、2022年にはウクライナ危機が到来。

緊急事態宣言やまん防の発出で経済状況は停滞し、2022年7月の消費者物価指数は前年比で2.4%も上昇。 

 

一方、株式市場は高値に沸いています。

 

2021年9月14日には日経平均がバブル後最高値の3万795円を付け、現在も2万7000円~8000円で推移しています。

 

経済は悪化、賃上げや年金には期待できず。

なら、高値の株式市場に乗り遅れまい、との気持ちが湧くのは無理もありません。

 

しかし、どんなに社会が投資に向いた環境に動いたとしても、投資をするのは自分です。 また、投資に伴うリスクを負うのも自分です。

 

自分はなぜ資産運用をするのか。

なぜ、資産運用が必要なのか。

 

社会の状況や周りの意見に流されず、まずは自問してみましょう。

 

問いかけ2: 将来何をしたいのか。そのために資産運用が本当に必要なのか?

 

「資産運用は、あれこれ考えずに、まず初めてみること。」

 

初心者へのアドバイスとして、このような意見もあります。

 

また、

 

「資産運用を始めるのに、目的なんて必要ない。」

 

いわゆる「ゴールベース」の資産運用に対する反対意見として、このような意見もあります。

 

どちらも正論だと思います。

 

しかし、資産運用を本格的に始めるには、やはり、あれこれ考えたり、何のために資産運用をするのかについては考えを巡らせる必要があると思います。

 

そして、こうした他人の意見に惑わされず、自分がどんな目的で、何を実現したいのかを、自分の目線で考えて頂きたいと思います。

 

・ 自分の老後のためなのか。

・ 子どもの教育費のためなのか。

・ 投資は余った資金だけに留めるのか。

・ 夫婦の生活をより楽にするためなのか。

 

このような問いに対する答えが、自分なりの運用コンセプトや目標です。

これらを持っていると、資産運用とは本来「しなければいけないもの」ではないことに気づくことができるはずです。

 

問いかけ3: 家計の今後の見通しが理解できているか?

 

人生、何が起こるか分かりません。

将来の先の先まで、1円単位で家計を見通すことなど不可能です。

仮に見通しがあっても、その通りにいくことはむしろ稀なことです。

 

しかし、それでも見通しを持っておくことは無意味ではありません。

むしろ、将来を冷静に見ることができ、不安を和らげることができるはずです。

 

おおまかであっても、今、いくら資金があって、どんな収入や出費があり、それが〇〇年後まで続いた場合、資金がどのくらい手元に残るのか、または失われるのか。

 

こうした情報が頭に入っていることで、自分がどんなリスクを抱えていて、それに対してどんな対処をすればいいのかを整理することができます。

 

「資産運用をしなければならない。」

 

このような不安に駆られる原因は、今の資産や収入・出費、将来の見通しなどが整理されていないまま、社会の、もしくは周りの情報に振り回されていることにあるのではないでしょうか。

 

資産運用とは「安心を実現するツール」

 

資産運用はすべきかどうか。

本文の冒頭に述べたことと繰り返しになりますが、その答えは、人によってまちまちです。

 

しかし、もし長期に渡って運用できる見込みがあれば、始めるのは悪くない選択です。

 

資産運用とは「しなければいけない」ものではありません。

資産運用とは、あくまで「それをすることで、より安心して人生を送ることを可能性にするツール」の一つであるべきです。

 

それでは、資産運用を「安心のためのツール」として使うためには、何から手を付ければいいのか。 

 

そんな疑問にお持ちの方の期待に応えるのがFPの仕事です。

まずは無料相談を行っているFPに相談してみるのも一つの手です。

 

なお、当事務所でも初回無料相談を行っていますので、お気軽にお問合せ下さい。