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FP(兼USCPA)がレモンをレモネードにする(逆境を転機に変える)ヒントを書き連ねます。 毎週月・木曜日に更新。

最大40%の割引! 横浜市民なら「レシ活」と「かながわPay」の併用がお得!!

 

2022年8月26日から始まった、横浜市が実施する「レシ活」。

その約1か月前、2022年7月19日から始まっている神奈川県実施の「かながわPay

 

「コロナ禍での飲食店支援」や「消費活性化」を目的に実施された第1弾に続き、新たに「原油価格や物価高騰対策」目的も加わった「第2弾」が実施中です。

 

横浜市在住でポイ活、レシ活大好きな我が夫婦は、さっそく利用しています。

 

この2つの事業の最大ポイント還元率はそれぞれ20%

「レシ活」と「かながわPay」、条件が合えば同じ買い物で使えます。

つまり、2つ合わせて使えば実質40%の割引を一つの買い物で得ることができます。

 

「レシ活」と「かながわPay」とは一体何なのか。

そして、この2つをどう使えばポイント還元を受けられるのか。

やさしく解説します。

 

横浜市の「レシ活」とは?

出典:横浜市レシ活キャンペーンサイト

横浜市が実施するポイント還元事業です。

その名の通り、利用したお店が発行するレシートを使い、スマホアプリを通じて利用者にポイントを最大で20%還元します。

 

実施期間は2022年8月26日から11月30日までの約3か月間。

ただし、予算に達した時点で終了します。

 

「レシ活チャレンジ」と「レシ活VALUE

 

このレシ活、「レシートの内容」によって2種類に分かれます。

 

横浜市内の飲食店で発行されたレシートは、「レシ活チャレンジ」

横浜市内の飲食店以外の店舗ガソリンスタンドで発行されたレシートは、「レシ活VALUE

 

例えば、横浜中華街のお店で四川料理を食べたレシートは「レシ活チャレンジ」。

横浜元町でジュエリーを買ったり、市内のスーパーマーケットで食料品を買ったり、ガソリンスタンドで給油すれば、「レシ活VALUE」でポイント還元を受けることができます。

 

レシート買取アプリ「ONE」を使ってポイント還元

 

スマホがあり、アプリをダウンロードできる環境があれば簡単です。

基本的に、レシート買取アプリ「ONE」を通じてポイントが還元されます。

(その他、レシートを郵送で送っても還元は可能です。)

 

おおまかな手続きの流れは4ステップです。

 

1.アプリの新規登録

2.手元にレシートを用意

3.ONEアプリのホーム画面からレシ活アイコンをクリック

4.レシートを内蔵カメラで撮影し、送信。

レシート買取アプリ「ONE」から該当するレシ活を選択する。

ダウンロードしたアプリの画面には、「レシ活チャレンジ」、「レシ活VALUE」のアイコンがあるので、購入したサービス、商品の合わせてクリックします。

 

次の画面(説明文の一番下)にレシート撮影用アイコンが出てくるので、それをクリックして、レシートを撮影します。

 

やや見つけにくいが、説明文の一番下にレシート撮影用アイコンがある。

送信したレシートに問題がなければ、2週間ほどでポイント(1ポイント=1円)がONEアプリ上の「ウォレット」(口座)に入金されます。 

 

入金されたポイントは、手数料はかかりますが銀行口座へ送金することも可能です。

 

レシ活の還元率は最大20%、還元額30,000円まで。

「レシ活チャレンジ」、「レシ活VALUE」共に、レシート記載金額の最大20%です。

例えば、レシート記載金額が2,000円なら、400円が還元される計算です。

 

ただし、「レシ活VALUE」には1回につき食料品その他は600円、ガソリンは1,000円までしか還元されません。

 

つまり、食料品のレシート1枚の記載金額が8,000円の場合、

還元額: 8,000円×20% = 1,600円

とはならず、ポイント還元額は600円で打ち止めです。

 

従って、20%のポイント還元を受けるには、買い物に工夫が必要です。

すなわち、食料品などは一度にまとめて買い物するよりも、複数に分けてレシート記載金額を3,000円以内に抑えた方がお得です

 

こうして還元手続きを繰り返し、「レシ活チャレンジ」、「レシ活VALUE」それぞれでポイント還元額が30,000円に達した時点で終了です。

 

1日あたりのレシート申請枚数には上限がある。

「レシ活チャレンジ」では1日3枚、「レシ活VALUE」では1日1枚が上限です。

従って、ポイント還元の限度額30,000円に達するまでの最低日数にも違いが出ます。

 

「レシ活チャレンジ」は前述の「1回あたりの還元額」に制限がないので、15万円のレシートがあれば1日でポイント還元上限の30,000円を得ることができます。

 

一方、「レシ活VALUE」は食料品その他が600円、ガソリンは1,000円という制限があるため、食料品だけを買ったとして、ポイント還元上限に達するまで最低50日は必要になります。

 

事業期間が終わるまでに最大のポイント還元額を受けられるよう、特にレシ活Valueは使い方に気を付ける必要があります。

 

「かながわPay」はQRコード決済でポイント還元

出典: 神奈川県「かながわPay」キャンペーンサイト

 

横浜市民(そして神奈川県民)が受けられるもう一つの「最大20%還元」、かながわPay。

 

こちらは横浜市「レシ活」と違い、ポイント還元を受けるためにレシートは必要ありません。 還元手続きは買い物時のレジで完結します。

 

ただし、利用できるお店は、人によってはかなり制限が出てきます。

なぜなら、買い物先は、「かながわPay」アプリが使えて、かつ特定のQRコード決済が利用できるお店を選ばなければならないからです。

 

2022年8月現在、使えるQRコード決済は以下の通りです。

  • au Pay
  • d払い
  • はまPay
  • LINE Pay
  • R Pay

 

還元率はお店によって10%または20%

かながわPayは、飲食店(感染対策防止を行っている店に限る)やスーパーマーケットなどで使用できますが、「大企業は10%」、「小・中企業は20%」と還元率に違いがあります。

 

従って、還元率20%のお店をこちらのサイトから探してから買い物をした方が有利です。

 

かながわPayの利用方法

かながわPayが使えるお店に貼られるポスター例

出典:神奈川県「かながわPay」キャンペーンサイト

 

こちらは、慣れるまでは少し面倒かも知れません。

まず、かながわPayのマークがついているお店のレジで、「かながわPay」を利用する旨を伝えます。

 

すると、QRコードを提示してくれるので、それをアプリで読み込みます。

支払金額を入力した上で、その画面をレジの方に確認してもらいます。

その後、そのお店で使えるQRコード決済サービスを使って、支払金額を決済します。

 

ちょっと複雑に思えますか?

確かに、私も慣れるまで時間がかかりました。(特にレジが混んでいると緊張します。)

 

手間はかかるが、40%の還元は魅力。

ここまで、横浜市の「レシ活」と神奈川県の「かながわPay」の概要をご説明しました。 これをお読みになった方は、「複雑すぎ!」と思ったかも知れません。

 

しかし、レシ活や決済サービスは、使っている内に意外と慣れるものです。

 

期間限定の40%OFF。

最初は面倒でも、いざ始めてみると、「もっと早くから始めていればよかった!」と言っている方が周りにたくさんいます。

 

早速、始めてはいかがですか?

ただし、食べ過ぎ、買い過ぎにはくれぐれも注意を!

使い道に困るポイントの救世主、「ポイント運用」のメリット・デメリット

ポイント運用は多くのメリット

クレジットカードやスマホ決済などのオンライン決済サービス。

その利用で貯まったポイントを投資に回せる「ポイント運用」が急速に利用者を伸ばしています。

 

このポイント運用、一見メリットばかりです。

 

  • 手持ちのポイントですぐ始められる、
  • 口座開設がいらない、
  • いつでも解約可能。

 

さらに、

 

  • ポイントは基本「おまけ」なので、損失が出てもそれほど痛手にならない
  • 貯めたポイントを「無駄遣い」せず、将来のために取っておくことができる。

 

といいことずくめです。

 

しかしそこは、従来の投資と同じくデメリットもあります。

 

もし、これから「ポイント運用」を始めようと思っている方は参考にしてください。

 

ポイント運用は、なぜ投資ではなく「投資の体験」?

 

ポイント運用とは、ショッピングやサービスの購入で得たポイントで投資を「体験」できる仕組みです。 

 

「体験」とはいえ、運用に回したポイントはさまざまな種類の投資信託や株式の価格に連動し、損失が出たり、利益が出たりします。

 

では、ポイントとは言え損失や利益が出るのに、なぜ「体験」なのでしょうか?

 

それは、実際に資金を投じて行う運用とは根本的に仕組みが違うからです。

 

たとえば、運用を始める際の手続きです。

 

「通常の投資」なら証券口座の開設手続きや、本人確認書類の提出などの手続きが必要ですが、「ポイント運用」には一切ありません。

 

また、運用方法についても違います。

「通常の投資」では投資信託や株式を実際に購入しますが、「ポイント運用」で選ぶ投資信託や株式はあくまで「参照する値」に過ぎません。

 

さらには、保護についても違いがあります。

「通常の投資」では、証券会社が倒産しても顧客の資産は保護されています。(原則1,000万円まで) 一方、「ポイント運用」は発行会社が倒産しても運用中のポイントは保護されません。

 

まとめると、ポイント運用とは、従来の投資に必要な「本人確認」や「権利」、「保護」などの機能はないものの、「手軽に」、「迅速に」、「分かりやすく」始めることができる、お試しの運用手段の一つなのです。

 

ポイント運用の最大のメリット

 

最大のメリットは、何と言っても分かりやすさです。

 

投資、と言うと経済、会計などファイナンスの知識が必要でハードルが高いものと思われがちですが、ポイント運用は、そうした知識がなくてもできるように作られています。

 

また、通常の投資なら何千もある商品から自分に最適な商品を選ぶ必要がありますが、

ポイント運用の場合、選択肢はせいぜい10以下です。 そして名称も、例えば「チャレンジコース」、「スタンダードコース」(Paypayの場合)など、商品の特徴がパッと分かるように作られています。

 

手続きもとにかく簡単。 ポイント運用を始めるのに必要なポイント残高(各社によって違います)があれば、ものの5分で商品選択まで完了させることができます。

 

ポイント運用のデメリットは、そのシンプルさ。

 

ポイント運用のデメリットは、「分かりやすさ」を追求するあまり、本来の投資に必要な情報が少なすぎる点です。

 

例えば、証券口座を作って投資信託を購入する場合を考えてみます。

 

投資信託の構成資産は何か?」

「それぞれの構成資産の値動きは?」

 

などの情報は事前に押さえておきたいところですが、これらはポイント運用の各社サイトを見る限り、分かりやすく表示されていません。

 

つまり、商品選択の際にある程度の情報を仕入れたい方にとっては、逆に「情報がなさ過ぎて」不安になる点がデメリットと思われます。

 

ちなみに、(証券投資に慣れ過ぎた)私がポイント運用を始める際は、あまりにもコース説明や選択肢にあるプランが単純で、かえって「どれを選んだらよいのか分からない」というジレンマに陥った経験があります。

 

ポイント運用の仕組みや法制度は流動的

 

もう一つ、ポイントについての懸念をお伝えしたいと思います。

それは、仕組みが途中で変更(場合によっては改悪)される可能性がある点です。

 

例えば、手数料です。

 

当初はポイント運用には一切手数料がかからなかったのに、途中で有料化される可能性があります。

 

実際、一例としてPaypayポイント運用は従来手数料は0でしたが、2022年3月24日より100円以上のPaypayポイントをポイント運用に回したときに1%の手数料(スプレッド)が徴収されることになりました。(プレスリリース

 

このようなことは、証券口座を開設しての運用ではあり得ません。

 

さらに、今後はポイント運用に対する税制も変わるかも知れません。

 

現在はポイント運用で発生した利益に一切税金はかかりませんが(かかるのは、ポイントで実際の金融商品を購入した場合のみ)、これはポイント運用に対応した税制がまだ未整備なだけであって、今後はポイント運用に特化した税制度ができる可能性は0ではありません。

 

ポイント運用は「投資の勉強」になり得るか

 

ポイント運用は私も大いに使っています。。

 

お陰で、これまで「ポイントを貯めたはいいけれど、交換できる商品の中に、魅力的なものがない」と言った悩みは、とりあえず余ったポイントを運用に回すことで解消されました。

 

私のように使い道に困っている方にとっては、ありがたい仕組みです。

 

しかし、このポイント運用が(各社が宣伝文句の一つとしている)「投資の勉強」になるか、と言われると疑問です。

 

前述の通り、情報がシンプルすぎて、運用が「値動きのグラフだけを眺めて一喜一憂する」だけで満足してしまうことになりかねない恐れもあります。

 

しっかり勉強したからと言って、運用成績がよくなるものではないのが投資ではありますが、目的を見失わないためには、やはり勉強が必要です。

 

くれぐれも、ポイント運用に回すポイントを稼ぐために多額のショッピングをするという「本末転倒」に陥らぬよう、「たしなむ」程度がよいと思います。

ちょっと待って! iDeCoが「まずはお試しで少額から」に向いていない理由

iDeCoが向いていない方とは?

 

会社員から自営業者、専業主婦まで加入できる「個人型」確定拠出年金、通称「iDeCo」。

 

  • 拠出した掛金は課税所得から引けるので、所得税や住民税が減る
  • 60歳まで原則下ろせない
  • 受け取る年金は公的年金等控除額が使えるから、課税上有利になる。

などのメリットがあり、人気を呼んでいます。

 

特に、「現役時代」は積み立てた掛金を給与所得から差し引くことができ、「引退後」はもらう年金からも控除を使える、という「2度おいしい」メリットは魅力です。

 

しかしこのiDeCo、向いていない方もいます。

それは「毎月の掛け金が少ない人」です。

 

iDeCoをやってみたいけれど、とりあえずお試しで最低額の月5,000円から!」

「毎月の掛け金支払いを軽くしたいから、月10,000円に減らそう!」

 

もし、このように考えている方は要注意です。

 

iDeCoを続けるだけでかかる様々なコスト

 

なぜ、毎月の掛け金が少ない人にはiDeCoは向いていないのでしょうか?

それは、iDeCoにかかるコストを差し引くと、利益が出ない、もしくはマイナスになる可能性があるからです。

 

iDeCoは、続けているだけで様々なコストがかかっていることはご存知でしょうか?

主なものをざっと列挙すると、下図の通りとなります。

iDeCoにかかる様々なコスト

それぞれの手数料について、簡単に説明します。

 

1.「初回1回のみ」のコスト(加入時・移管時手数料)

iDeCoに加入したり、会社を退職して元々あった会社の確定拠出年金iDeCoへ移し替えたときに発生します。 国民年金基金連合会への手数料として2,829円かかる他、利用する金融機関より「移換時手数料」として数千円が徴収される場合があります。

 

2.「運用中」のコスト

掛金を拠出して運用している間は毎月かかる費用です。(毎月の掛け金から差し引かれます) iDeCo事務管理を請け負う「国民年金基金連合会」への手数料(月105円、税込)、信託銀行への手数料(月66円、税込)がかならずかかります。

 

「運営管理機関手数料」(運用商品を購入した金融機関への手数料)は、金融機関によって0円から数百円とさまざまです。

 

なお、iDeCoは掛金の拠出を中断することが可能ですが、信託銀行への手数料(月66円、税込)は引き続き徴収されます。

 

3.「給付中」のコスト

年金として受け取る給付金の事務手数料が、毎回の給付金から440円(税込み)差し引かれます。

 

毎月5,000円の積み立てでコストの料率が29.47%!?

 

表中の手数料を見て、「毎月数百円程度なら大したことないな。」と思われるかも知れません。

 

しかし、iDeCoは老後の資産形成を目的にした制度です。 積立期間は何十年にもわたります。 その間、常に手数料が徴収されることを考えると、決して無視できないコストです。

 

そして、そのあおりを最も受ける方が、毎月の掛け金が少ない方です。

 

例えば、毎月5,000円の掛け金でiDeCoを始めるとしましょう。

積立開始から1年後の資産残高は60,000円になります。

 

5,000円×12ヵ月=60,000円

 

一方、コストはどうでしょうか?

初回のみのコストは2,829円、運用中のコストは毎月501円かかるとします。

すると、1年間のコスト合計は8,841円になります。

 

2,829円+501円×12ヵ月 = 8,841円

 

1年後に60,000円の残高(年平均残高は÷2なので30,000円)を積み立てるのに、かかったコストは8,841円。 これを料率に直すと29.47%になります。

 

8,841円÷30,000円 ≒ 29.47%

 

言い換えると、5,000円を毎月積み立てて初年度に「黒字」にするためには、29.47%以上のリターンを出さなければいけないことになります。

 

これは、よほどマーケットが好調でなければ達成できない数字です。

掛け金が少ないとiDeCoが向かない理由がお分かり頂けたでしょうか。

 

毎月の掛け金が少ないほど、手数料負担が重くなる。

 

そうは言っても、これから何十年と続けていけば、残高も積み上がるし、長期運用でリターンも出やすくなる可能性は確かにあります。

 

しかし、それでも毎月払うコストは、掛金が少ないほど重くなります。

 

毎月のコストが500円として、

 

毎月10,000円の掛け金は5%減って9,500円に。

毎月5,000円の掛け金は10%減って4,500円に。

 

このように、実際の運用に回る掛金は減ってしまいます。

 

このコストがなければ、その分を複利で何十年も運用できることを考えると、勿体ないと言わざるを得ません。

 

少ない掛金で始めた私の失敗

 

実は、私もこの「少額でiDeCo」を続けてしまった一人です。

そもそもiDeCoを始めたきっかけは、当時勤めていた会社が確定拠出年金(会社型)を導入したことでした。 

 

その後独立することになり、会社時代に使っていた金融機関(運営管理機関)はそのままにして、(iDeCoにどんなコストがかかるのかよく理解もせず)勤務中に積み立てた拠出金をiDeCoに移しました。

 

当時の掛け金は毎月10,000円。

コストを考えると、この掛け金が少なすぎることは述べた通りです。

しかも当時は所得税が少なく、iDeCoの所得控除メリットはほとんどありませんでした。

 

つみたてNISAも合わせて検討を

 

もし、少額からiDeCoを始めようかと思っている方は、是非、所得税が減るメリットがあるかどうかを確かめた上で、(iDeCoのようなコストがかからない)つみたてNISAも合わせて検討することをおすすめします。

 

(筆者について)

FP、USCPAの筆者が運営する事務所です。

人生の転機における財産の問題を解決・支援しています。↓

Z Financial & Associate

【レポ】インド料理歴10年のFPが、セブンイレブンのカレーフェスを試食してみた!?

最近、カタい記事が続いていたので、ちょっと一息。

 

インドカレーが大好きです。

食べるのも大好きですが、作る方はもっと好きです。

 

きっかけは10年前。

インド全土とバングラディシュを横断した3か月の放浪旅。

往く当ても、目的も、そして帰国日すらも決めていない旅でした。

 

一つの街に留まるのは短くて2日、長くても5日ほど。

駆け足で巡る道中の食事は、ほぼ100%カレー。

 

毎日毎日飽きもせず、主に「ベジー」(肉を出さないお店。 出すところはノンベジーと呼ぶ)の食堂を探しては、見たことも食べたこともないものにチャレンジの繰り返し。 そのお陰で、ひどい下痢を何度も繰り返したことか。

 

数あるインド料理の中でも、特にお気に入りだったのは南インド料理。

 

グレイビー(どろどろ)でギ―(バター)を多用する北インドと違い、さらさらのカレーで野菜とお米中心が日本人の私にとても合いました。

 

その中でもお気に入りは、

マサラドーサ

ラッサム

ミールス全般

イドゥリー(米粉のパン。 主に朝食にカレーとの付け合わせで食べる)

パロータ(渦巻き状の揚げパン)

 

上の白いパンが米粉のパン「イドリー」。 左下はドーサ

 

帰国が近いころには、すっかりインド料理の奥深さに魅せられていた私。

 

帰国後は、スパイスを集めて自分で作ったり、当時まだ少なかった南インド料理の店をあれこれ探し出しては出向いたものでした。

 

南インド料理スパイスの一つ「カレーリーフ」(自宅で栽培中)

 

そして現在。

もっぱら作る専門の私に、「参考に」と妻が買ってきてくれたのが、

セブンイレブン「カレーフェス2022」のラインナップ。

 

上野の名店「デリー」の名物「カシミールカレー」と、大久保の名店「魯珈」の「SPICY CURRY」(魯珈プレート)。

 

まさか、近所のセブンイレブンで本格的なインドカレーが食べられるようになるとは。

10年前には夢にも思いませんでした。

 

左が魯珈の「SPICY CURRY」(税込702円)、右が銀座デリーの「カシミールカレー」(税込594円)。 味も値段も挑戦的!

早速、二人で試食。
まずは「カシミールカレー

 

カシミールカレーは、ご飯とカレーの二段重ね

一口食べてみてビックリ。

悶えるほどの激辛です。

 

でも、感動。うまい。

 

かつて、上野の「デリー」で食べたカシミールカレーがしっかり再現されています。

「じゃがいも」と「鶏肉」もの具。

さらさらのルー。

そして泣く子も黙る「激辛」加減。

 

恐るべし、セブンイレブン

 

それにしても、ちょっとやそっとの白飯では決して和らぐことのない辛さ。

横で喜び悶える(!?)私を見て、辛さが苦手な妻は決して手を付けませんでした。

 

ここでちょっとトリビア

 

カシミール、と言えば北インド。 

しかし、このサラサラのルーは南インドっぽい。

なぜ「カシミールカレー」?

 

そこで、調べてみると、この「カシミールカレー」、デリー創業者がメニューに出すに当たって、当初は「マドラスカレー」(マドラスは、南インド主要都市チェンナイのかつての名称)と名付ける予定だったそうです。

 

それが、何の間違いか、メニューの印刷業者に「カシミールカレー」と書いて出してしまい、それを訂正もせず、今に至るそう。

 

次は、「魯珈」の「SPICY CURRY」。

カレー、ターメリックライス、半熟卵がプレートに乗る「SPICY CURRY」

ネット上では、(激辛の「カシミールカレー」比べて)「味わい深くて食べやすい。」と評判でした。

 

さて口にしてみると、確かに食べやすい。

カシミールカレーの激辛に悶えた後なので、余計にそう感じます。

 

魯肉飯とチキンカレーという以外な組み合わせ。

インドはおろか、日本でも味わったことのない不思議な味です。

 

ただ、ちょっと私の好みではありません。

いろんなスパイスが主張しすぎていて、味がぼんやりしている感じです。

あと、塩辛さが前に出ているのも、私の苦手要素です。

 

しかし、これはあくまで「コンビニ飯」。

 

「超人気で行列の絶えない「魯珈」の(コンビニ)メニューは残念でしたが、お店で食べればきっとおいしいに違いない。」

 

そう考え、手持ちの「魯珈」レシピ本に紹介されている別のカレーを作ってみました。

真ん中がエッグマサラ、右がマラバール風ひさごのカレー

こちらは好みに合わせてスパイスや塩を調節できるので、美味しくできました。

今度は是非、大久保の「魯珈」で直接食べてみたいです。

 

それにしても、好みはあるとは言え、ここまで「尖った」ラインナップを商品化するセブンイレブン

改めて脱帽です。

紙の保険証と一体何が違う? マイナ保険証の真のメリットとデメリット。

仕事上で、お客様から「写真付き本人確認書類」としてマイナンバーカードのコピーをお預かりすることがあります。

 

その際、よく尋ねられるのが、

マイナンバーカードを健康保険証にした方がいいのでしょうか?」

という疑問です。

 

よくお話を聞くと、こんな不安をお持ちです。

 

・「自分の医療情報が筒抜けになりそう。」

・「紙の保険証との違いがよく分からない。」

・「政府の狙いがどこか別にありそう。」

 

果たして、マイナンバーカードを健康保険証にして本当に大丈夫なのでしょうか。

そこで、「マイナ保険証」のメリットデメリットそれぞれを解説します。

 

 

ピンとこないマイナ保険証の「公式発表」メリット

 

まずは、メリットを整理してみましょう。

厚生労働省による制度紹介動画や政府のマイナポータルをまとめると、

 

1.マイナンバーカードが病院でも薬局でも、保険証代わりに使える。

 

2.マイナポータルでこんな情報がいつでもどこでも見られる。

  • (40歳以上の)特定健診情報
  • (過去に処方された)お薬の情報
  • (確定申告にも使える)医療費の明細

 

3.就職・転職・引越をしても健康保険証としてずっと使える。

 

4.窓口への書類の持参が不要になります!

 

しかし、上記の1~3は、メリットとしては今一つピンときません。

それは、(個人的に)メリットとしてはいささか「弱い」と感じるからです。

 

  1.  紙の保険証は確かに不要になるが、代わりにマイナンバーカードを病院や薬局へ持参しなければならない。(落としたりして失くしてしまうリスク)
  2.  特定検診は国民健康保険の被保険者が対象なので、民間の健康保険に関する検診情報は対象とならない。 また、過去の薬剤情報は紙やオンラインの「お薬手帳」を見れば済むし、医療費控除も年10万円を超えなければ確定申告がそもそも不要。
  3.  確かにメリットではあるが、会社から「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらえば、新たな保険証が届いてなくても窓口負担は原則3割で済むので、大きなメリットとは必ずしも言えない。

 

窓口への書類持参が不要になる、は大きなメリット

 

しかし一方で、4にはやや大きなメリットを感じます。

それは、健康保険の高額療養費制度における「限度額適用認定証」の事前申請や、窓口での提出が不要になるからです。

 

高額療養費制度とは、本人の所得に応じてその月の医療費が一定限度額を超えた場合、差額が還付される仕組みです。 その際、市区町村役場で「限度額適用認定証」を申請し、病院の窓口に提出すれば、限度額以上の医療費が請求されない仕組みです。

 

従来であれば、限度額適用認定証を申請せずに病院を受診した場合、一旦窓口で限度額以上の支払いが必要で、後から役所で還付の手続きをしなければなりませんでしたが、マイナンバーカードの健康保険証があれば、不要になります。 

 

マイナ保険証のデメリット

 

次に、マイナンバーカード保険証のデメリットを見てみます。

 

1.使える医療機関や薬局が限られている。

マイナ保険証を有効活用するには、受診する医療機関や薬局にカードリーダーが設置されていなければなりません。(保険証自体が使えない、という訳ではありません) 

 

ただし、2022年8月時点では、医療機関や薬局のカードリーダー導入率は半分にも達していません。

 

病院   : 41%

一般診療所: 15%

歯科診療所: 19%

薬局   : 46%

厚労省マイナンバーカードの健康保険証利用 参加医療機関・薬局リストおよび医療施設動態調査(令和元年5月末概数)薬局数・無薬局町村数,都道府県別を元に筆者算出)

 

ただし、今後は導入率も急速に高まるものと思われます。

 

この状況を受けて、政府は医療機関や薬局のカードリーダ導入を令和5年4月より原則義務化する予定です。 また導入費用の補助金を見直すことも検討しています。

 

2. 医療情報の外部利用が可能になる。

患者よりマイナンバーの提供と、事前の同意があれば、医師が患者の特定検診や過去の投薬に関する情報をオンライン上で閲覧できるようになります。 ただし、自分の「プライバシー」を誰にも知られたくない人が、よく仕組みも分からないまま、同意してしまう可能性もあるので、注意が必要です。

 

将来は保険証の原則廃止も

 

ここまで読んで、「やっぱり(マイナ保険証)のメリットはないな」と思った方もいらっしゃると思います。

 

そこで「無理にマイナンバー保険証に変えなくてもいいですよ」と言いたい所ですが、今後は「変えないとデメリットがありますよ。」と言わざるを得なくなりそうです。

 

なぜなら、(紙の保険証は)将来的に「原則廃止」となる可能性が高く、今後は「持たないデメリット」も増えてくると考えられるからです。

 

2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、さらにオンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す。(ただし、加入者から申請があれば保険証は交付される)

 

(令和4年6月7日閣議決定:経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針2022))より

 

「持たないデメリット」については、令和4年10月より紙の保険証がマイナ保険証よりも窓口負担額が高くなることが予定されています。

 

具体的には、「マイナ保険証」を提示した患者が医療機関で支払う窓口負担の上乗せを初診時に限定し、負担額が現行の最大21円から6円に減ることになります。 一方、「紙の保険証」では窓口負担は9円から12円に引き上げられます。 

 

この点については、マイナ保険証の導入促進とは言え、同じ保険証でなぜ支払額に差をつけるのか、医療を受ける側としては疑問が残ります。

 

政府によるマイナ保険証推進の狙いは「データヘルス」の整備

 

それでは、なぜ政府はマイナ保険証をそこまで推進するのでしょうか?

それは、「データヘルス」の整備が目的だからです。

 

近年、健診やレセプトなどの健康医療情報は、平成20年の特定健診制度の導入やレセプトの電子化にともない、その電子的管理が進んでいます。これにより、従来は困難だった電子的に保有された健康医療情報を活用した分析が可能となってきました。データヘルスとは、医療保険者がこうした分析を行った上で行う、加入者の健康状態に即したより効果的・効率的な保健事業を指します。

 

厚生労働省HPより

 

つまり、マイナ保険証の導入により、従来は紙のやり取りや、書面で行われた様々な健康医療情報を電子データ化(データヘルス)することで、患者の健康状態に合った治療ができるようになり、無駄な業務やコストの削減につながる、ということです。

 

ただし、データ化については事前に患者の同意を得る仕組みとなっています。

 

(前略)マイナンバーカードを用いて、薬剤情報、特定健診等情報、医療費通知情報を閲覧することが出来るようになります。薬剤情報と特定健診等情報については、患者の同意を得た上で医療関係者に提供し、より良い医療を受けることが出来るようになります。

 

マイナポータルより引用

 

これらの理念に基づけば、マイナ保険証の真のメリットとは、

 

「マイナポイント7500円分」や「保険証を持参しなくてよい」といった短期的なメリットではなく、「将来的なデータヘルスの整備によって、医療機関から私たち患者がよりよい医療が受けられるようになる」という長期的なメリットである。

 

ということと言えるでしょう。

 

しかし、これがいつ、どのような形で私たち保険加入者が「真のメリット」として受け取ることができるのでしょうか。

 

そのような「具体的な」ビジョンが示されない限り、「マイナ保険証に変えた方がいいよ!」と今は声を大にして言えないのが、正直な気持ちです。

親の「いい事」も「悪い事」も知る子ほど、人生を乗り切る力を身に着ける。



子どもに親の「失敗」や「挫折」の話を素直に話せますか?

 

親が自分の昔話を子どもにするとき、子どもが喜んで聞いてくれたり、尊敬のまなざしを送ってくれると、親は嬉しいものです。 

 

特に自分が成功したり活躍した話、例えば、

 

運動会の徒競走でいつも一番だったこと。

ラブレターを山のようにもらったこと。

予備校の模試で全国上位に入ったこと。

難関国家試験に合格したこと。

みんなが狙っていた人と結婚して夫婦円満なこと。

 

話している親の方も思わず得意気になってしまいます。

 

では逆に、自分が失敗したり、挫折した過去はどうでしょうか。

 

運動会の徒競走でいつもビリだったこと。

奥手で異性としゃべれず、さっぱりモテなかったこと。

予備校に通っても希望する大学に落ちたこと。

就職に失敗したこと。

結婚したものの夫婦関係が上手くいかなかったこと。

 

笑って話せる程度のものであればいいのですが、本人が未だトラウマを抱えていたり、子どもの教育上「よくない」と思える場合は、できれば伝えたくない、と思ってしまいます。

 

そもそも、こうした親の「失敗」や「挫折」の話を子どもにするべきなのでしょうか?

私も子を持つ身として、時々ふと迷います。

 

しかし、アメリカで次に紹介する研究結果があることを知り、「してもいいんだ。」と励まされました。 そこで、その内容をご紹介します。

 

家族の過去や経験を知っている子ほど、自尊心が高い傾向にある。

 

アメリカのジョージア州アトランタにある名門私立大Emory Universityの心理学教授であるMarshall Duke博士は、ある日、特別支援校の教師である妻からこんな話を聞きました。

 

「私の見た限り、親や祖父母の過去をよく知っている子ほど、自分を上手くコントロールできる傾向があるみたいなの。」 

 

そこで、Marshall Duke博士は同僚と共同で「DYK(Do You Know、知ってる?の略)」と呼ばれる20の質問群(詳しくは後で述べます)を作り、子供(もしくは10代半ばの生徒)たちを集めて回答してもらった結果を分析したところ、親や祖父母に関する過去の出来事や経験をよく知っている子ほど、

 

  • 自尊心が高い
  • 学力が高い
  • 社会への適応力がある
  • 抑うつや、怒りを爆発させたりするなどの問題行動が少ない

 

などの傾向がみられました。

 

つまり、家族のことをよく知っている子ほど、心理的な安定や、人生を上手に乗り切る力を備えている、というのです。

 

子どもに困難を乗り切る力を与える「振り子物語」

 

では、具体的にどんな「家族の話」を知っていると、子どもはそのような力を身に着けるのでしょうか?

 

Duke博士によると、家族が話すときの「物語」には3つのパターンがあると言います。

 

一つ目は、「上昇物語

これは、「一から努力して、切磋琢磨して、成功した。」というお話。

いわゆる、「〇〇があったから、〇〇したから、今の(成功した)私がある。」というお話です。

 

二つ目は、「下降物語

これは上昇話法とは逆の話です。

つまり、「以前は〇〇だったけど、今はもう駄目になった、なくなってしまった。」という、嘆きやため息が聞こえそうなお話です。

 

そして三つ目は、「振り子物語

これは、上昇物語と下降物語の組み合わせです。

すなわち「私のこれまでの人生には、いいときもあったし、悪い時もたくさんあった。」というお話です。 

 

例えば、こんなお話でしょうか。

 

「お父さんのおじいちゃん、元々家が大地主だったんだけど、戦後の農地解放で土地はほとんど国に没収されてしまったんだ。 

でも、残ったわずかな土地に若き日の父が酒蔵を立てて地酒を売ったら海外まで評判を呼んで大成功。 

ところが好事魔多し。 今度はおばあちゃんががんを患い、小さかったお父さんは小児喘息で学校も休みがちになってしまったんだ。 そこで父は一大決心して家族を優先することにして、事業を畳むことにしたんだよ。」

 

Marshall博士によると、子どもの心理に最もよい影響があるのは、この「振り子物語」であり、家族の「人生のアップダウン」を知っている子ほど、その後の人生で直面する困難を乗り切る力を身につけている傾向が高いというのです。

 

大切なのは、知っている事実ではなく、知るまでのプロセス

 

では、どうやって子どもに親や祖父母などの人生の「振り子物語」を伝えればいいのでしょうか?

 

Marshall博士の共同研究者であるRobyn Fivush博士によると、大切なことは「子どもが家族の振り子物語を知っている」という事実ではなく、「振り子物語を知るまでのプロセス」である、と言います。

 

つまり、例えば親が子供と一緒にご飯を食べるときや、散歩のとき、遊ぶときなど、折に触れて、そして時間をかけて、子どもと話をする機会が大切ということです。 

 

子どもに「振り子物語」を切り出すための20の質問

 

しかし、(私も含めて)多くの方が「失敗」や「挫折」の話を子どもにするのは抵抗があることは、前に述べた通りです。

 

それでは、そんな話をどうやって子どもに会話として切り出せばよいのでしょうか?

 

その方法として、Fivush博士は、前述の「DYK(知ってる?)の20の質問」を会話のきっかけにするとよい、と薦めています。 その内容は以下の通りです。(私たち日本人の考え方には合わないものもありますが、そのまま載せます)

 

  1.  お父さんとお母さんはどう知り合ったか知ってる?
  2.  お母さんはどう育ったか知ってる?
  3.  お父さんはどう育ったか知ってる?
  4.  おじいちゃん、おばあちゃんはどう育ったか知ってる?
  5.  おじいちゃん、おばあちゃんはどう知り合ったか知ってる?
  6.  お父さんとお母さんはどう結婚したか知ってる?
  7.  君(=子ども)が生まれた時の状況は知ってる?
  8.  君の名前の由来は知ってる?
  9.  君の兄弟姉妹が生まれたとき、どんなことが起きたか知ってる?
  10.  君は家族の誰に顔が似てると思う?
  11.  君は家族の誰と行動が似てると思う?
  12.  お父さんとお母さんが若い時、どんな病気やケガに見舞われたか知ってる?
  13.  お父さんやお母さんがいい経験や悪い経験から何を学んだか知ってる?
  14.  お父さんやお母さんが学校に通っていた頃、どんなことがあったか知ってる?
  15.  お父さんやお母さんの先祖の祖国(イギリス、ドイツなど)は知ってる?
  16.  お父さんやお母さんの若いころの職業は知ってる?
  17.  お父さんやお母さんが若いころどんな賞をもらったか知ってる?
  18.  お母さんが通った学校の名前は知ってる?
  19.  お父さんが通った学校の名前は知ってる?
  20.  「凍り付いた」表情の親戚がなぜいつも笑顔がなかったのか知ってる?

 

この質問リストを読むと、子どもの頃、これらの質問について答えてくれたときの、親の表情や口調、状況が懐かしい思い出として蘇る方は、私だけではないと思います。 

 

だからこそ、自身の子どもにも、そんな思い出を将来に残してあげたいものですね。

 

参考文献:

1."LIFE IS IN THE TRANSITIONS" Bruce Feiler

2.“Do You Know…” The power of family history in adolescent identity and well-being by Robyn Fivush, Ph.D., Marshall Duke, Ph.D., Jennifer G. Bohanek, Ph.D.

3.The “Do You Know?” 20 Questions About Family Stories by Robyn Fivush Ph.D.

電気料金を安いプランに変えても、逆に高くなるケースとは?


ウクライナ危機による世界的なエネルギー供給不安によって、私たちの電気料金は毎月上がり続けています。 

 

そんな環境で、どうすれば私たちは電気料金を安くできるのでしょうか?

それには大きく2つの方法があります。

 

一つには政府も奨励する「節電」。 

そしてもう一つは、「プランの乗り換え」です。

 

2016年より電力小売りが自由化され、私たち需要家はさまざまな電力会社(8/5現在、737社)が提供する「安い」プランに自由に乗り換えできるようになりました。

 

しかし、ここ最近は事態が変わってきています。

「安い」と思って乗り換えても、逆に高くなるケースがあるのです。

どういうことでしょうか?

 

 

電気料金のキホン

 

本題に入る前に、一般的な家庭用(低圧)電気料金の仕組みについてごく簡単に押さえておきましょう。

 

私たちが支払う電気料金は、以下の3つの合計です。

1.基本料金(毎月固定でかかる)
2.電力量料金(料金単価x1か月の使用電力量)
3.再エネ賦課金( 同上 )

資源エネルギー庁「月々の電気料金の内訳」より

基本料金以外、つまり「電力量料金」と「再エネ賦課金」は、1か月の使用電力量に応じて変動します。

 

では、「単価」はどうでしょうか?

こちらも変動しますが、変動するタイミングがそれぞれ違います。

 

  • 電力量料金のうち、「電力量料金単価」(表の①)

   → 電力会社が電気料金を見直した時だけ変動する。

  • 電力量料金のうち、「燃料費調整単価(注)」(表の②)

   → 毎月変動する

  • 「再エネ賦課金単価」(表の③)

   → 1年毎に見直し

 

(注)燃料費調整単価については、過去記事もご覧ください。

 

電気料金は下げることが「できるもの」と「できないもの」がある。

 

では、電気料金のキホンを押さえた上で、電気料金のうち、(節電以外で)下げることができるものと下げることができないものを整理してみます。

 

下げることができるもの

  • 基本料金
    • ブレーカー容量(アンペア)を下げる。
    • 基本料金が安い、もしくは「ゼロ」のプラン(電力会社)に乗り換える。
  • 電力量料金のうち、「電力量料金単価」
    •  単価が安いプラン(電力会社)に乗り換える。 

下げることができないもの

  • 電力量料金のうち、「燃料費調整単価」
    • 原則、エネルギーの市場価格が元になるので、安くできない。(注)
  • 再エネ賦課金 
    • 再エネの導入費用を広く消費者が負担するため、安くできない。

 

(注)ただし極めて一部ですが、燃料費調整単価を上げずに据え置いている電力会社もあります(例えばコチラ)。 そのような会社のプランに変更すれば、電気代が安くなるかも知れません。 とはいえ、近い将来方針が変更になる可能性もあります。

 

なぜ、安いプランに変えても料金が高くなってしまうのか。

 

では、なぜ安いプランに乗り換えても、かえって電気料金が高くなってしまうのか。

その本題に入ってみます。

それは、せっかくプランを変えて基本料金や電力量料金単価を下げても、その後に

 

  • 電力会社が(環境の変化等を理由に)電力料金単価を上げることがある。

 

  • 燃料費調整額の上限を撤廃することがあり、燃料費調整額が上がり続ける。

 

からです。

 

乗り換えによって高くなってしまった例

具体例を見てみましょう。

東京電力(TEPCO)の「従量電灯B」(自由化前からあるプラン)から、楽天でんきの「プランS]へ乗り換えたYさんのケースです。

 

楽天でんきは、基本料金ゼロ、電力量料金単価は電気使用量に関わらず一律という分かりやすさで人気がありました。 

 

しかし、2022年3月に「国際的な燃料価格の高騰による電力調達価格の高騰に対応することが極めて困難になった」ことを理由に、「燃料費調整単価の上限撤廃」と、「料金単価」(値上げ)の改訂を行いました。

 

その結果、改訂前はTEPCOのプランより安かったYさんの電気料金は、改定後に逆に高くなってしまっています。(下図)

 

筆者による試算(燃料費調整単価は2022年9月分で算出)

しかし、この改訂は致し方ない面もあります。 それは、現在のエネルギー高騰では、そもそも経営的に電力事業が成り立たない環境だからです。

 

東京電力が公表した2021年の部門別収支によれば、自由化後のプラン(自由化部門)は852億円の赤字となっています。(一方、自由化前のプラン(規制部門)は270億円の黒字)。 この状況では、自由化によって生まれた電力会社のほとんどは赤字で、値上げしなければどうにもならない状況と推測できます。

 

そうは言っても私たち需要家から見れば、「安くなると思って変えても、後で逆に高くなるかも知れない」と思うと、おいそれとプランを変えられないのが正直なところでしょう。

 

乗り換え前に確認しておくべき2点

これまで述べた状況下では、確実に電気料金を下げることができる乗り換え先を見つけるのは難しいと言えます。 それでも、もし探す場合は、次の2点は必ず確認するようにして下さい。

  •  今後、電力量料金の値上げの可能性はないのか?

  •  燃料費調整額に上限はあるのか。 もしあるなら、今後撤廃される可能性はないのか?

また、電力各社のホームページにはよく「〇〇円安くなる」と書かれていますが、これには「燃料費調整額」を含めていない場合があります。 

本当のメリットを算出する場合は、必ず燃料費調整額を含めるようにして下さい。